革の仕上げについて

革の仕上げについて

カバーリングやコーティングでは、革本来の風合いを楽しむ意味合いとは逆で、キズや水濡れに対して革製品を守る意味合いで行われます。また、キズを隠したり、模様を施したりと、革の表情を変える役割も持っています。

革に色を付ける方法には染料仕上げと顔料仕上げがありますが、そのうちの顔料仕上げは革の表面に被膜を作って覆う、カバーリングの1つにもなります。不溶性の着色剤を使う事により、均一色付けと表面のキズを隠す効果が得られるので、顔料仕上げが施された革は仕上がりがきれいに見えます。

また、色を付けると言うよりは模様を付ける意味合いでプリントやフィルム加工が施される事もあります。プリントは顔料で発色も良いのが特徴で、フィルムはある程度凹凸が見られることもあるので型押しの効果を得る事も出来ます。

アンティーク仕上げとは?

アンティーク仕上げは、革の経年変化を新品の状態で表現してあるものです。同じく経年変化を楽しむジーンズなどでもあるように、色ムラを起こしたり、クラックと呼ばれるキズを付ける方法を用いたりして、革を年季の入った感じに仕上げて味わいを持たせます。

クラックの場合は、革そのものにキズを付けるわけでは無く、あらかじめ厚く施された顔料にヒビ割れの状態を表現します。 革本来の風合いをそのまま生かす革は色ムラが出やすいのですが、それをそのまま味わいとして生かす場合もあります。人為的に付ける色ムラは、染料と顔料の組み合わせで表現されます。

ブラッシュオフと呼ばれる技法

特に色ムラ仕上げには、ブラッシュオフと呼ばれる技法があり、塗装後に起毛して不規則な濃淡を作り出します。ブラッシュオフの1つ、アドバンティックと呼ばれる技法では、ガラス張り乾燥をした後に銀面を擦り取って平滑なガラス張り仕上げを行い、その後、濃く硬い顔料を吹き付けてから色ムラが出る様に擦り取ります。

この時、最初の染色より濃いベール液を使用してツートンカラーに仕上げる事も出来ます。特にアドバンティック仕上げなどはカバンや靴に用いられる事が多いのですが、稀にメンズ革財布でも用いられる場合があります。

手帳などでも用いられる事があり、使っていくうちに更に塗装が剥げて味わい深い表情が出てきます。タンニンなめしされた革の経年変化とは違いますが、使い込まれた漆器の様な味わいの経年変化を味わう事が出来ます。

ボックスカーフとは?

ボックスカーフは、生後3~6か月の牛の皮、つまりカーフスキンにクロムなめしを施した革を染め上げ、タンパク質系のコーティングを施します。ボックスカーフの名称は、元々ドイツの皮革製造業者、カール・フロインベルグ社での固有名詞でしたが、次第に同様の仕様の革が他社へと広まる事により、一般的にボックスカーフの名称が使われる様になりました。

その為、ボックスカーフは定義が曖昧になっており、一応の定義として「美しい銀面を残したクロムなめしの革」となっています。英国ではブラックの物だけを指し、また、皮の表面に見られるシボと言う模様を人為的に付けるボックスカーフもあります。

ボックスカーフのなめしとは?

ボックスカーフのなめしは、クロム液に2時間という短時間の漬け込みで行われる為、革には硬さと適度なハリが残ります。そしてコーティングの効果でキズも付きにくく、丈夫であるという事が特徴です。 また、クロムなめしには珍しい表面の血筋やキズの自然な風合い、それに加えた美しい発色には、タンニンなめしとクロムなめしの良い特徴が表現されています。

メンズ革財布の愛好者の中でも、経年変化の妙や自然な風合い、革を育てるという意味合いから、タンニンなめしを施された革には高い人気がありますが、このボックスカーフはクロムなめしにも関わらず高い人気を誇っています。 その理由は、ブライドルレザーを凌ぐと言われるカーフスキンの希少性、美しい銀面の表情、耐久性の面から靴の革として有名な事もあり、メンズ革財布としても上位に上がる程の人気があります。

染料仕上げと顔料仕上げ

革を色付けするときには、顔料仕上げ・染料仕上げの2タイプのものがあります。動物の革を使う天然素材では、傷の無いものは存在していないと言われています。 生まれてからすぐの牛などでも、傷の量は少なくても無いわけではありません。なので革を作成する際に「いかに傷を隠すか」「いかに傷をよく見せるのか」という選択があるのです。

<染料仕上げ>

染料仕上げには、透明度の高い水溶性の着色剤が用いられ、染色後も革表面の凹凸が残ります。天然皮革は動物の皮なので、その動物が持っていたキズや血筋、シワなどがあります。 染料仕上げの場合は、その様な革本来の風合いが残り、経年変化が革表面で起こる様子が分かりやすいという特徴があります。

<顔料仕上げ>

顔料仕上げの場合は、表面をコーティングするように色付けする方法です。革自体は経年変化を起こしているのですが、表面が覆われているため、一見変化していない様に見えます。 キズやシワなどを隠してきれいに仕上がり、汚れやキズもつきにくく、長く使用しても購入時と変わらない事から、女性用の革製品によく使われます。

天然皮革の証拠の「トラ」

天然皮革には2つの仕上げ、色付け方法があります。日本では顔料仕上げという方法が一般的なのですが、ココマイスターでは染料仕上げをメインの色付け方法としています。皮革に引っかいた痕、怪我などが痕になって現れるという、「バラ傷」というものがあります。 これは染料仕上げがよくできている証拠でもあるのです。人工皮革ではこのような痕はありません。動物の皮膚にもシワができるのですが、筋状に何本もできるシワの表情を通称「トラ」と呼び、これが天然皮革の証拠なのです。

天然皮革の醍醐味の「シボ」

ココマイスターでは、皮革の染料仕上げについて一枚の革で色の濃度の違いというものがあります。これもまた、天然皮革の醍醐味で通称「シボ」と呼ばれています。稲妻のように革の表面に付いている傷は、牛の血筋なのです。 この「シボ」があることで革らしい表情を楽しむことができます。このような特徴を持つため、ココマイスターで商品を買った人の中には「不良品!」とクレームをつける人もいるそうです。 染料仕上げは、エイジング効果で使えば使うほど美しくなっていくので、天然皮革にある傷などを「傷・不良品」とみるか「傷・味がある」とみるかで印象も違ってくるでしょう。

色付けがされない素仕上げ

色付けがされない仕上げは素仕上げと呼ばれます。素仕上げの場合はなめしと加脂だけでの場合もありますが、ほとんど塗装していないような仕上げも含まれます。行われるのはワックス、オイル、シリコンでの感触を補正、軽い染料や撥水剤を塗る程度の軽い塗装や見えない塗装で、革表面の保護の意味合いが強いようです。

メンズ長財布の醍醐味として、染料仕上げの革や仕上げをほとんど施していないヌメ革の経年変化を楽しむ事が挙げられます。希少価値も高いので愛好家の間で人気がありますが、手入れを怠るとひび割れなどを起こしやすいと言うのが難点です。 メンズ革財布ではヌメ革が好まれますが、そのままだと明るすぎるので、ブラウンやブラックに染色された物に人気があります。

色付け以外のカバーリング

色付け以外のカバーリングでは撥水加工があります。これは、傷みやすいヌメ革にはある程度必要になるので、素仕上げの革でもフッ素等の撥水剤が使われる事があります。

メンズ革財布ではあまり見かけませんが、コーティングは革の光沢を強調させる場合に使われる効果です。 ツヤが出るのである程度のキズが隠れる事もあります。有名なエナメル仕上げはパテントレザーとも呼ばれ、塗装した後の革にポリウレタン樹脂等によってコーティングを施したものです。このことによってつやつやと光る質感が得られます。

また、つるつるとしたものでは革靴などでお馴染みのガラス張り仕上げがあります。ガラス張り仕上げは、表面を削った後に顔料や合成樹脂で覆う方法です。安価な反面、革が傷みやすい難点も持ち合わせています。

オイルド仕上げ

オイルド仕上げは、乾燥後の革に多量の油を加える仕上げ方法です。この方法で仕上げられた革は全般的にオイルドレザーやオイルアップレザーと称されますが、油なめしが行われた革も同様の呼ばれ方をします。

油なめしは主にセーム革を製造する際に使われるなめし法で、シカやヒツジなどの皮を、酸化しやすいタラの肝油との化学反応を利用して行います。水洗いをしても革が硬くならない事がセーム皮の特徴で、メガネや時計などを磨くのに適しており、化学繊維にとって代わるまではガラス製品磨きとしての需要がありました。 油なめしはあまり一般的な方法では無いので、オイルドレザーと言えばオイルド仕上げを施された革の事を指す場合が多いようです。

オイルド仕上げが施された革の特徴

オイルド仕上げは平素の加脂工程と同じ様に、ドラムによって叩き込む方法、乾燥後に油の中に漬け込む方法、油を吹き付けたり、塗ったりする方法と様々で、仕上がった革の感触は油っぽくてヌルヌルします。 オイルド仕上げが施された革の特徴として、丈夫である、しっとりとしている、折り曲げたり裏側から押したりすると白浮きするという事です。

この油の白浮きはプルアップと呼ばれ、特有の濃淡が革表面に映る事から、革の愛好者の間で好まれています。 また、タンニンなめしを施された革の場合は、オイルの作用で色が変化するスピードが速くなるという事から、メンズ革財布においても経年変化の妙を好む方に人気があります。手入れに関しては、ホコリが付きやすいのでブラシでの掃除が必要という事以外は、油が多い分、他の革よりは比較的楽な革と言えます。

エンボス仕上げ

エンボス仕上げは、革が持つ本来の凹凸を際立たせたり、模様を付けて見た目の印象を変えたりする仕上げ方法です。 有名な物ではグレインレザーがあります。革の表面にあるシワのような模様はシボと呼ばれ、革の価値に影響します。

グレインレザーはこのシボを人為的な作用で出した革で、グレインレザーにも模様の大きさによっていくつかの種類があります。ごく軽く、細かいシボが出された物では、一文字状の物がウィローグレイン、四角状の物がボックスグレインと呼ばれ、細かな小石状の物はペブルドグレイン、一番有名な物は大麦の実に似た不揃いのスコッチグレンです。

シボとエンボス仕上げについて

シボの出し方にもいくつか方法があり、手や機械で揉んでシボを出したものは揉み革と呼ばれ、特に手で揉んだものはその手間から希少価値の高い物となっています。揉み革と似た表情を出す事が出来るもう1つの方法として、薬品を使ったシュリンクレザーがあり、縮革とも言われています。

そして、エンボスでは型押しという方法に本来の意味がありますが、目にする機会が多いのがこの型押しです。型押しは自由自在に模様が付けられる事からよく利用され、加工技術が上がったことからも、高級なクロコダイルの革に似せた型押しも精巧になってきています。 メンズ革財布に限らず、革製品ではエンボス仕上げが一般的ですが、革本来の風合いを楽しむ愛好家の間では、エンボスがあってもロゴの型押し程度にとどまる、模様の無い状態の物が好まれるようです。

起毛仕上げとは?

起毛仕上げとはバフィングとも呼ばれ、革の表面をサンドペーパーやヤスリで擦る事で毛羽立たせる仕上げの事です。起毛仕上げ自体に特別な違いはありませんが、革の種類や場所によって、仕上がる物の種類が変わります。 どの革も一見似たような印象があり、混同しやすいので注意が必要です。 特に高価なバックスキンは、オス鹿の革のみという事から希少価値の高い革です。バックスキンは革の表側の銀面部分を起毛させて作ります。BUCK(バック)と言うのはオス鹿の革を意味します。

ヌバックについて

バックスキンと特に混同されやすいのはヌバックです。ヌバックは、高価なバックスキンの代用品として作り出された事から、バックスキンによく似ています。 ヌバックは、牛の革から作られ、毛足の短さや柔らかさが特徴です。また語源は、ギリシャ語のNEO(ネオ)とBUCKを合わせてヌバックと呼ばれる様になったようです。

ヌバックは毛足が短い事が特徴

ヌバックは牛革の表面(銀面)を、目の詰まったヤスリやサンドペーパーで擦って起毛させたものです。毛足が短い事が特徴で、柔らかい風合いがあります。起毛させた革にはいくつか種類があって混同されやすいのですが、特にヌバックに関しては、オス鹿の革を起毛させたバックスキンの代用として生まれた経緯があるので、バックスキンと間違われやすいようです。

革は通常、なめしの後に油分を含ませますが、オイルドヌバックは起毛後にもオイルを含ませます。起毛した革の表面は吸収力が増し、たっぷりとオイルを引き込み、起毛とオイルの質感によりしっとりと手に吸い付いてくる感覚を感じます。 また、キズが付きやすいという特徴もありますが、キズは揉みほぐすと目立たなくなります。

オイルドヌバックの特徴

オイルドヌバックの起毛は使っていくうちに無くなっていきますので、半年も経つと光沢が出てきます。また、オイルが含まれている事から色の変化が早いのも特徴で、他の革では通常5年かかる様な経年変化がわずか3か月で起こる程です。

オイルドヌバックは起毛が汚れを弾き、汚れてもブラシなどで軽く擦れば落ちます。防水性が高い事から登山靴などによく利用されていますが、メンズ革財布として加工される場合はあまり水に強く無くシミになりやすいと言われていますので注意が必要です。 登山靴の場合でも、使用前にワックスや防水スプレーで保護する事が推奨されていますので、オイルドヌバックのメンズ革財布においても、防水スプレーで保護してからの使用がすすめられます。その際は、防水スプレーがシミにならない様に、目立たないところで試してから行いましょう。

スエードについて

スエードはバッグやブーツでなじみ深い名称なので、知名度では一番でしょう。スエードは、クロムなめしが施された仔牛の革をはじめ、ヤギやヒツジの革の裏側である床面を起毛させたものです。 技法の考案がスウェーデンからという事で、スエードと呼ばれる様になったようです。

ベロアについて

また、スエードよりも毛足の長いものはベロアと呼ばれます。 起毛仕上げの革には高級感とツヤ消し効果の落ちついた雰囲気を味わえる魅力があり、手触りの良さからメンズ革財布を提供する皮革製品店でも、起毛仕上げの革を推奨しています。 毛足の作用で汚れが付きにくいのが特徴ですが、水を吸い込みやすく、防水スプレーで保護する事が奨められています。

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